画面は正常なのに、計算だけが間違っていた——静かに壊れていたものを探した日【創業日記 #8】
現在地です——出品18点、売上0円、評価5、販路2つ。ブログの新規訪問113人、ブログ内のクリック1,678回、出品の表示回数4,644回、自社サービス登録11人。ブログと出品の数字は直近30日ぶんです。
今日は派手な新機能を作っていません。すでに動いているものを片っ端から疑って読み直した一日でした。この回では、そのうち『エラーが出ないまま間違っていたもの』をまとめます。目に見える不便のほうは次の回に分けました。
| 今日の主眼 | 新しい機能は作らない。動いているように見えるものを、片っ端から疑って読み直す |
|---|---|
| 今日の一言 | 見つかるたびに冷や汗が出たけれど、売れる前に見つかってよかった |
壊れ方には、音が出るものと出ないものがある
不具合には2種類あると、今日はっきり分かりました。エラーが出て止まるものと、何事もなく動き続けるものです。前者は誰でも気づきます。怖いのは後者でした。
うちのサービスは、海外の売値を円に直して利益を出します。そのための為替レートが、自動で取り直されず、決め打ちの値のまま使われていました。画面は正常、エラーもゼロ。ただ、出てくる利益の額だけが実勢からずれ続けていた。円安の局面では利益を低く見積もって良い商品を見送り、円高の局面では逆に、赤字の商品を『利益が出ます』と出してしまう。後者のほうがはるかにまずい。
しかも直す途中で、設定画面に『自動取得が失敗したときに使う値です』と書いてあるのに、実際は手動の値のほうが優先される作りになっていたと分かりました。書いてあることと動きが違うのは、機能が足りないことよりずっと悪い。説明のほうに合わせて直し、いま実際にいくらで計算しているかを画面にそのまま出すようにしました。信じてくださいと書くより、見えるようにするほうが早いです。
貯めていたデータは消え、推定は『実績』と名乗っていた
相場の精度を上げるために、毎日こつこつデータを貯める仕組みを先週作りました。今日読み直したら、書き込んだ直後に消える状態になっていました。仕組みは正しく動き、記録も走り、そして何も残っていなかった。さらに、貯める側と読む側とで置き場所の名前が噛み合っておらず、仮に残っていても誰も読まない棚に積まれ続けるところでした。
見せ方のほうにも問題がありました。売れそうな価格を出すとき、実際に売れた記録から出した数字と、いま出ている値段から推し量った数字を、どちらも同じ言葉で表示していたのです。推し量った数字を『実績』と書けば、受け取る側は根拠のある数字だと思います。表現の問題ではなく、事実と違うことを書いていました。
言葉をやわらげる案も浮かびましたが、それは違うと思って、根拠の種類ごとに表示を分けました。推し量った数字は、はっきり『推定です』と分かる形にしています。判断材料がどれくらい確かなのかは、使う方が知っておくべきことです。
見つけたものを、隠さず書いておく
今日見つけた問題は、どれも自分の作ったものの中にありました。書いていて気持ちのいい話ではありません。それでも記録に残すのは、この連載を『うまくいった話だけ』にしたくないからです。
使ってくださる方に対しては、起きたことは正直にお伝えしたうえで、その方の作業が止まらないようにするのが自分の仕事だと思っています。今回はまだ本格的にお使いいただく前の段階で見つかったので、そこは素直に運が良かった。
そして今日いちばんの反省は、点検を『一度で終わり』にしようとしたことです。一巡して『完了しました』と言った後に、二巡目でさらに見つかりました。三巡目でも出ました。終わったと言いたくなる気持ちのほうを、疑うべきでした。
明日やること
- 貯め始めたデータが本当に残っているか、日を置いて実物を確認する(今日は直しただけ)
- 為替が固定値に落ちたときに自分へ知らせが飛ぶか、実際に試す
- 今月中に1件売る。入金までの流れを実地で一度通しておきたい
この連載は、ゼロから会社を立ち上げ、大きくしていく過程をそのまま書き残す記録です。 きれいごとだけでなく、迷いや反省も出していきます。上の「現在地」の数字が号を追うごとにどう変わっていくか、一緒に見届けてもらえたら嬉しいです。 国内フリマ仕入れ×eBay輸出の実録はブログ一覧から読めます。



