人は寝る。機械は毎晩値段を整える——ただし「黙って変える」は絶対にしない【創業日記 #68】
現在地です——出品91件、売上15,399円、評価9、販路2つ、累計のブログ訪問133人・出品の表示59,750回(すべて2026-09-01時点)。今日は、値段を毎晩自動で整える仕組みを入れた話です。
きっかけは、値段の点検をひとつの流れにまとめ直したことでした。そこでオーナーが決めました。「下げの自動に関しては、決めた利益の線を守れる範囲で。ここで整えてほしい」。それで、毎晩決まった時刻に機械が全出品を見て、赤字になっている品は線のすぐ上へ上げ、周りより高すぎる品は利益の線を守れる範囲で相場の中へ下げる仕組みを作りました。
| 今日の主眼 | 自動で値段を動かす仕組みに「越えない線」と「報告」をセットで入れる |
|---|---|
| 今日の一言 | 夜のあいだに値段が勝手に整っていく心強さと、黙って変わることの怖さを同時に感じた一日 |
値段を機械に任せる前に、まず「越えない線」を1本にした
値段を機械に動かしてもらうと決めたとき、いちばん先に怖かったのは「機械がどこまでも下げてしまわないか」でした。だから最初に決めたのは、機械が動いてよいのは利益の線の上だけ、ということです。どの計算の道を通っても、その線を割る値段には絶対に行かない形にしました。
「絶対に」は口で言うだけでは信用できないので、線の計算を1か所にまとめ、そこを通った値段しか出品に反映されないようにしました。そのうえで、線を割る値段を返してくる入力を意図的に用意して、それでも出力が線の上に収まることをテストで固定しています。人がうっかり見落としても、テストが落ちて気づける形です。
人が触った品には、機械は手を出さない
2つ目に決めたのは、手で値段を変えた形跡のある品には触らない、ということです。実際のeBayの値段とこちらの控えがずれている品は「人の判断が入ったかもしれない」とみなして飛ばし、なぜ飛ばしたかを報告に残します。
機械からすれば、ずれているなら控えに合わせて直したくなります。でもそれをやると、人が意図的に上げ下げした値段を機械が黙って元に戻してしまう事故になります。判断できないときは手を出さない。この遠慮を、便利さより先に入れました。
黙って値段が変わる状態は、便利ではなく怖い
3つ目は、何をしたかを必ず翌朝のメールに全部出すことです。上げた品、下げた品、触らなかった品とその理由。夜のあいだに値段が勝手に整っているのは便利ですが、それを誰も見ていない状態で放っておくのは、便利さとは別の話だと思っています。
自分が寝ているあいだに、自分の店の値段が動く。これは心強くもあり、同時に少し怖いことです。怖さを消すのは「動いた」という結果ではなく、「何が、なぜ動いたか」を毎朝ちゃんと見られることでした。
今日から使える形にすると
ひとつ。自動化は「実行」と「報告」をセットで作ってください。報告の無い自動化は、うまく動いているときですら不信を生みます。動いていることを人が確かめられないと、信じるか信じないかの二択になってしまいます。
ふたつ。機械に何かを任せるなら、先に「絶対に越えない線」を1本だけ決めて、その線の計算を1か所に集めてください。線が2か所にあると、いつか片方だけ直して、もう片方は古いまま、という事故が起きます。
みっつ。「人が触ったものに機械が上書きしない」という遠慮を、最初の設計から入れてください。人と機械の共同作業は、機械のほうが一歩引く設計にしておいたほうが、結局は長く続きます。
明日やること
- 夜間の自動調整を数日動かし、上げた品・下げた品が意図どおりかを毎朝確かめる
- 「人の判断が入った可能性」で飛ばした品の一覧を見て、実際に人が触ったものかを1件ずつ確認する
- 越えない線を1か所に集めた計算が、他の値付けの画面からも同じ答えを返しているかを点検する
この連載は、ゼロから会社を立ち上げ、大きくしていく過程をそのまま書き残す記録です。 きれいごとだけでなく、迷いや反省も出していきます。上の「現在地」の数字が号を追うごとにどう変わっていくか、一緒に見届けてもらえたら嬉しいです。 国内フリマ仕入れ×eBay輸出の実録はブログ一覧から読めます。