点検は「直せる」と言い、実行は「無理だ」と断った——同じ会社の機械が、同じ日に真逆を言いました【創業日記 #67】
現在地です——出品91件、売上15,399円、評価9、販路2つ、直近30日のブログ新規訪問133人・出品の表示59,750回(すべて2026-09-01時点)。今日は、同じ会社の、同じ日に動いた2つの機械が、同じ品について真逆のことを言った話です。
赤字の値段になっていたゲームソフトが1品ありました。値段を点検する機械が「この値段まで上げれば大丈夫です」と案を出しました。ところが、その案の値段で実際に出品を直そうとしたら、実行する機械のほうが「その値段では赤字の線を割ります」と断ってきました。
| 今日の主眼 | 値段を決める2つの機械が食い違った原因を突き止め、同じ式を共有する形に直す |
|---|---|
| 今日の一言 | どちらも正しく見える2つの答えを前に、しばらく立ち止まった |
同じ会社の機械が、同時に違うことを言っている
点検の機械と、実行の機械は別々の日に作ったものではありません。どちらも自分で書いたコードで、同じ会社の、同じ日に動いていました。それなのに、片方は「直せます」、もう片方は「無理です」と言う。
最初は、どちらかが単純に間違っているのだろうと思いました。バグを探すつもりで両方のコードを読み直しましたが、どちらも読む限り正しく動いているように見えます。おかしいのはコードではなく、前提のほうでした。
原因は「送料の段差」——値段が変われば、送料も変わる
国際送料は、品の値段によって段が変わる仕組みになっています。値段が上がると、ある金額を境に送料の区分が切り替わり、送料そのものが上がることがあります。送料が上がれば、赤字にならない値段の下限(赤字の線)も一緒に上がります。
点検の機械は、いまの値段をもとに送料の段を選び、そこから赤字の線を計算して、その線のすぐ上を案として出していました。ところがその案の値段は、たまたま送料の段の境目を越えていました。境目を越えた瞬間に送料が上がり、本当の赤字の線も一緒に上がってしまう。案は、自分自身が前提にしていた送料を、自分で壊していました。
実行の機械は、実際に直そうとする値段で改めて送料を計算していたので、正しく「この値段では赤字の線を割ります」と判定していました。どちらも自分の持っている情報の範囲では正しく、ただ見ている前提が違っていました。
直し方は「もう一度計算し直す」を繰り返すだけだった
直し方自体は難しくありませんでした。案の値段を出したら、その値段でもう一度、送料と赤字の線を計算し直す。計算し直した結果、また線を割っていたら、さらに値段を上げて、また計算し直す。これを、値段が動かなくなるまで繰り返すだけです。
数式でいえば、答えが自分自身の計算結果と一致するところを探しているだけの話です。ただ、気づくまでは、点検の機械も実行の機械も、それぞれ単体で見れば正しく動いているように見えました。
今日から使える形にすると
ひとつ。2つの画面や機能が食い違ったら、「どちらが正しいか」ではなく「2つが違う前提で計算していないか」を先に疑ってください。今回は、どちらも正しく、前提だけが違いました。片方を犯人扱いして直すと、直っていないのに直った気になります。
ふたつ。値段のように「動かした結果が次の計算の前提になる」数字は、動かした後の値段でもう一度検算してください。送料・手数料・税金など、値段によって段や率が変わるものが1つでも絡む計算では、これを省くと今回のような食い違いが必ず起きます。
みっつ。「点検」と「実行」のように役割の違う2つの機能が、それぞれ別の式を持っていると、いつかこの形の矛盾が出ます。式は1か所に置いて、両方がそこを呼ぶ形にしておくのがいちばん安全です。
明日やること
- 同じ式を共有する形に直し、他の値段判定にも同じ食い違いが残っていないか点検する
- 送料の段が変わる金額を、値段を決める前の画面にも見える形で出す
- 点検と実行が同じ結果を返すかを、継続的に確かめる仕組みを入れる
この連載は、ゼロから会社を立ち上げ、大きくしていく過程をそのまま書き残す記録です。 きれいごとだけでなく、迷いや反省も出していきます。上の「現在地」の数字が号を追うごとにどう変わっていくか、一緒に見届けてもらえたら嬉しいです。 国内フリマ仕入れ×eBay輸出の実録はブログ一覧から読めます。