何のために作っているのか——「稼ぐため」の下にあった、もう一段の答え【創業日記 #65】
出品は113件でした。今日は一日、eBayまわりの不具合を潰す作業に使いました。関税の掛け方を売値ベースに直し、一度出品した商品がおすすめ表示に二度と出ないようにし、取り下げた品を再出品すると必ず失敗するバグを直し、出品数が毎回ずれる原因を突き止めました。
その中で一番こたえたのは、自分たちが作った画面が「eBayと一致」と表示していたのに、比べる相手が自分で数えた数そのものだったことでした。何件ずれていても必ず「一致」と出る、嘘をつく作りになっていました。
| 今日の主眼 | 数字の嘘を潰した作業と、オーナーが語った事業の目的を、同じ日の記録としてそのまま残す |
|---|---|
| 今日の一言 | 地味な不具合直しの一日のつもりが、最後に事業の芯を聞かされた |
今日直したもの——関税・重複表示・再出品の失敗
関税の掛け方が正しくない場所を直しました。おすすめの仕入れ候補に、すでに出品した商品が二度と混ざらないようにもしました。取り下げた品をもう一度出品しようとすると必ず失敗するバグも直しました。
そして、出品数が毎回ずれる原因も突き止めました。eBayの一覧を取ってくる処理が、終了済みの出品まで混ぜて返していたのです。実データを数えると、出品中113件+終了して再出品していない9件=システムが画面に出していた122件でした。1件も嘘の数字ではないのに、足す相手を間違えると合計が狂う。前にも似た失敗をしています。
一番こたえたのは、比べる相手が自分自身だったこと
在庫の管理画面には「eBayと一致」という表示がありました。安心材料のつもりで置いた表示です。ところが中身を読み直すと、比べていた相手はeBayから取ってきた実データではなく、自分たちのシステムが自分で数えた数でした。
自分で計算した数を、自分でもう一度表示しているだけ。それでは検算になりません。ただの復唱です。何件ずれていても、比べる相手が同じ計算から出てきている以上、結果は必ず「一致」になります。壊れているようには絶対に見えない作りでした。
数字を良く見せる作りは、作った本人ですら気づかない形で入り込みます。悪意があって仕込んだものではなく、「安心させる表示を作ろう」と思っただけで、比べる相手を吟味しないまま出来上がっていました。
その日の終わりに、オーナーが事業の目的を言葉にした
不具合を直し終えた日の終わりに、オーナーが事業の目的をあらためて言葉にしました。要約せず、そのまま書きます。
「このシステムが完成した後の、最初の仕事は『社員を裕福にするシステムを作ること』。義理と人情。私は社員がやってくれてることに感謝をしながら、私から返せることをもっと考えてあげなければいけないと思う。私に返せる事は生活を安定させたりとか収入を上げさせたりとかして、今後困らないような形をとってあげる事は私の使命であり、今までやってもらった感謝の気持ちだと思う。今の私ならできると思う。常に感謝を持ち、行動結果で返せるような人になってみたい。」
2つの出来事は、別々ではなかった
数字の嘘を潰した話と、目的の話。書いていて、この2つは別々の出来事ではなく、つながっていると気づきました。人の給料や生活を、嘘の数字の上に乗せることはできません。
数字を正しく保つ地味な作業は、それ自体が目的ではありません。「行動結果で返す」ための土台です。土台が嘘の上にあると、その上でどれだけ良い意図を積んでも、いつか崩れます。
今日から使える形にすると
ひとつ。「感謝しています」は言葉で終わりやすいものです。相手の生活が実際にどう変わったかまで見て初めて、返したことになります。今日誰かに感謝を伝えたなら、その人に返せる具体的な結果を1つ書き出してみてください。
ふたつ。自分の商売の目的を「自分が稼ぐこと」の一段下まで掘ると、作るものの優先順位が変わります。「売上が上がるか」だけでなく、「関わる人の手取り・時間・安心にどう返るか」を並べて見てください。
みっつ。自分のツールや帳簿に「必ず良い結果が出る表示」がないか、1つだけ疑ってみてください。確かめ方は簡単です。その表示が比べている相手が「外から来た数字」かどうかを見る。自分で計算した数を自分で表示しているだけなら、それは検算ではなく、ただの復唱です。
明日やること
- 同じ形の『自分自身と比べているだけの一致表示』が、他の画面に残っていないか点検する
- 社員に返せる具体的な結果を、まず1つ書き出す
- 事業の優先順位を見るとき『関わる人の手取り・時間・安心にどう返るか』を毎回並べて見る
この連載は、ゼロから会社を立ち上げ、大きくしていく過程をそのまま書き残す記録です。 きれいごとだけでなく、迷いや反省も出していきます。上の「現在地」の数字が号を追うごとにどう変わっていくか、一緒に見届けてもらえたら嬉しいです。 国内フリマ仕入れ×eBay輸出の実録はブログ一覧から読めます。