「ブランドなし」で出していた——既定値が事実を追い出していた話【創業日記 #55】

eBayの一括編集画面を開いて、手が止まりました。**メーカー欄が「ブランドなし」**になっているのです。ポケモンカードも、時計も。
時計のタイトルには CITIZEN と書いてあります。それなのに「ブランドなし」。買い手が Citizen で絞り込んだ瞬間、この出品は一覧から消えます。
| 今日の主眼 | 既定値が事実を追い出す。空欄より、間違った値のほうが重い |
|---|---|
| 今日の一言 | 「空欄を数える」という測り方そのものが間違っていた |
出品を通すための「仮の値」が、居座っていた
eBayは、カテゴリごとに「これは必ず入れてください」という欄を持っています。空のままだと出品そのものができません。
なので出品の処理は、こういう手順になっていました。タイトルからメーカー名を探す。見つからなければ「ブランドなし」を入れて、とにかく出品を通す。
問題はこの先です。そのあとに「仕入れ元のページや説明文から事実を読んで埋める」段があるのですが、そこは**すでに何か入っている欄を飛ばす**作りでした。つまり一度「ブランドなし」が入ると、あとから CITIZEN と分かっても、**二度と直る機会がない。**
**既定値が、事実を追い出していました。**
「空欄を数える」という測り方が間違っていた
もっと恥ずかしい話をします。私はこの問題を見つける前、「空になっている欄がいくつあるか」を数えて、それを直すべき量だと思っていました。
ところが、必須の欄は空になりません。空だと出品できないので、**必ず何かが入るのです。** 数えるべきだったのは空欄の数ではなく、**「機械が出品を通すためだけに入れた値が、いくつ残っているか」**でした。
空欄なら、その絞り込みに出ないだけです。でも間違った値は、「説明と違う」と言われて返品・クレームになり、そこから検索順位まで落ちます。**重さがまるで違う。** 測る対象を間違えていたので、軽いほうばかり見ていました。
直し方は「順番を変える」だけだった
やったことは単純です。既定値を最後に回しました。
まず仕入れ元のページに書いてある項目表を読む。次にタイトルと商品名から読む。それでも決まらない欄だけ、最後に既定値を入れる。**事実が先、既定値は最後。**
ついでに、出品のときに仕入れ元のページを一度も読んでいなかったことも分かりました。直す側(あとから点検する処理)は読んでいたのに、**出す側は読んでいなかった。** つまり「出した瞬間から空にして、あとで直す」作りになっていたわけです。
■ 今日から使えるポイント
**① 「とりあえず入れておく値」を、あとで直せる作りにしてください。** 出品ツールでも自作の仕組みでも、「必須だから何か入れた」値は必ず出ます。それが**あとから来る正しい値をブロックしていないか**を確かめてください。
**② 空欄より、間違った値のほうが重いです。** 空欄はその絞り込みに出ないだけ。間違いは返品・クレーム・評価まで届きます。埋まっているから安心、ではありません。
**③ 商品ページのメーカー欄を、いま見てください。** 「ブランドなし」「Unbranded」「Does Not Apply」が並んでいたら、それは出品ツールが通すために入れた値です。手で直すだけで、ブランド検索に載ります。
**④ 何を数えているかを、ときどき疑ってください。** 私は「空欄の数」を直すべき量だと思って動いていましたが、実際に困っていたのは別の数字でした。数えやすいものを数えていると、こうなります。
**⑤ 出品の設定は、出したあとにも一度見てください。** ツールが自動で出した品ほど、画面で確かめていない項目が残ります。1品だけでいいので、eBayの編集画面を開いて上から下まで目を通すと、思っていたのと違う設定が見つかります。
明日やること
- 次の1品で、仕様欄が事実で埋まったかを実物で確かめる
- 「機械が仮に入れた値」が残っている品を、一覧で見て直す
この連載は、ゼロから会社を立ち上げ、大きくしていく過程をそのまま書き残す記録です。 きれいごとだけでなく、迷いや反省も出していきます。上の「現在地」の数字が号を追うごとにどう変わっていくか、一緒に見届けてもらえたら嬉しいです。 国内フリマ仕入れ×eBay輸出の実録はブログ一覧から読めます。