値段を下げずに、卸値を作る——買い手は1種類ではなかった【創業日記 #29】

現在地です——売上7,437円、評価9、販路2つ、ブログの新規訪問180人(2026-08-23時点)。今日は、値段の考え方が1つ増えた日の話です。
ここまで私は「売れない = 値段が高い = 下げる」と考えていました。実際、経過日数に応じて自動で値下げする仕組みも作りました。ただ、それだけだと足りないのではないか、という話を一日かけて詰めました。
| 今日の主眼 | 表示価格は相場のまま据え置き、仕入れて売る人には値下げ交渉の側で条件を渡す |
|---|---|
| 今日の一言 | 商売の形が1つ増えた感覚。まだ結果は出ていないので、期待は控えめに |
海外の買い手は、1種類ではない
きっかけは単純な気づきでした。中古品を仕入れて自分の国で売る人は、どこの国にもいます。日本にいる自分がまさにそれをやっているのだから、向こうにも同じ人がいて当然です。
その人たちから見ると、相場ぴったりの値段は買えない値段です。買ってから自分の国で売るまでに、送料も手数料も自分の利益も乗せる必要があるからです。相場で買ったら、その時点で残りがありません。
そういう人たちに買ってもらえると、売り手としてはありがたいことがあります。気に入ってもらえれば繰り返し見に来てもらえるからです。1回きりのお客さんばかりだと、毎回ゼロから探してもらうことになります。
でも、表示価格を下げてはいけなかった
最初に考えたのは「じゃあ全体的に安くすればいいのでは」でした。これは違いました。表示価格を下げると、自分で使うために買ってくださる方からも、その安い値段で買われることになります。届く人を1種類増やすために、もともと届いていた人からの分を減らしてしまいます。
そこで方針を変えました。表示価格は相場のまま据え置いて、値下げ交渉の側で条件を作ることにしました。買い手から「この値段でどうですか」と提示できる仕組みは、もともとプラットフォーム側に用意されています。使っていなかっただけでした。
こうすると、自分で使う方は表示価格のまま買ってくださいますし、仕入れて売る方はご自身から交渉を入れてこられます。同じ商品で、2種類の買い手に別々の条件を出せる形です。
線をどこに引くか——「相場の何%」では決められなかった
次に、いくらまでなら受けていいかの線を決める番でした。最初は「相場の何%まで」で決めようとしましたが、自分の実物で計算したら、これが全く通用しませんでした。
同じ割合で下げても、ある品は十分利益が残り、別の品は赤字になります。理由は国際送料です。送料は品物の値段に関係なく一定の幅でかかるので、安い品ほど値段に占める割合が大きくなります。数千円の品では、送料が値段の半分近くを占めることもあります。つまり安い品には、値引きの余地が構造的にありません。
なので基準を変えました。「相場から何%下」ではなく「自分の下限から何%上か」で決めます。下限には仕入れ値も国際送料も手数料も入っているので、品物ごとの事情が最初から織り込まれています。
もう1つ、手元にある品と、売れてから仕入れる品とでは、線の引き方を変えました。手元にある品はもうお金を払っているので、寝かせるほど損をします。売れてから仕入れる品はまだ1円も払っていないので、待つコストがほとんどありません。同じ「粘る」でも、意味がまったく違います。
画面に出ているだけでは、何も起きていなかった
ここで1つ、正直に書いておきたいことがあります。考え方を決めて画面に表示させたところで、私は一度「できた」と思いました。ところが確かめたら、その条件は売り場には1件も届いていませんでした。画面に出ている数字と、実際に受け付ける条件が別物だったのです。
「表示されている」と「効いている」は違います。ここを混同すると、自分では対策したつもりで、実際には何も変わっていない期間が生まれます。
なので売り場側に実際に届けるところまで作りました。ただし、これは人が押したときだけ動くようにしています。交渉を自動で受けるということは、こちらに何も聞かずに売買が成立するということなので、時間で勝手に走らせる仕組みにはしませんでした。
今日から使える形にすると
ひとつ。売れないときの手当ては値下げだけではありません。買い手が何種類いるかを先に考えて、種類ごとに違う条件を出せないか探してみてください。表示価格を全員に対して下げるのは、一番大雑把な手です。
ふたつ。値引きの余地を「相場の何%」で決めないでください。送料のように金額が一定でかかるものがあると、安い品ほど余地が消えます。自分の下限から測ると、品物ごとの事情が最初から入ります。
みっつ。対策を入れたら「表示されているか」ではなく「実際に効いているか」を確かめてください。私はここで一度、できたと思い込んでいました。画面で確認するのではなく、相手側で確認するのが確実です。
明日やること
- 設定した条件を実際に売り場へ入れて、受け付けられるか1品で確かめる
- 交渉を入れてくださる方が実際に現れるか、しばらく様子を見る
- 検索結果で見られてから開かれるまでの割合が低いままなので、次は写真と見出しに取りかかる
この連載は、ゼロから会社を立ち上げ、大きくしていく過程をそのまま書き残す記録です。 きれいごとだけでなく、迷いや反省も出していきます。上の「現在地」の数字が号を追うごとにどう変わっていくか、一緒に見届けてもらえたら嬉しいです。 国内フリマ仕入れ×eBay輸出の実録はブログ一覧から読めます。



