売れる前に見つけた「13時間の穴」——安全装置は、実戦とテストで初めて本物になる【創業日記 #22】

現在地です——出品17点、売上7,437円、評価9、販路2つ。今日は、無在庫でいちばん怖い場面を防ぐはずの安全装置に、穴が空いていたと分かった日です。
無在庫でいちばん怖いのは『eBayで売れたのに、仕入れ元がもう無い』こと。それを防ぐために、仕入れ元を毎分見に行って、消えていたらeBayの出品を自動で取り下げる仕組みを前から作ってあります。今日、その仕組みを『本当に取り下がるのか、一度試してみたい』という一言から確かめることになりました。
| 今日の主眼 | 安全装置を『作った』で終わらせず、壊してみて実際に動くかを確かめる |
|---|---|
| 今日の一言 | 見つけた瞬間はひやっとしたが、売れる前に見つけられたのは収穫 |
直したはずの旗が、13時間立ちっぱなしだった
まず記録を見返すと、前の晩に実際の出品1点で仕入れ元が終了していました。仕組みはそれをちゃんと検知して、eBayの出品を取り下げようとしていました。ただ、その取り下げ自体が失敗していて、『要対応』の旗だけが立ったまま、誰にも知らされずに13時間経っていたのです。
幸い、売れる前に自分の手で気づいて終了させたので、実害はありませんでした。でも、これは運が良かっただけです。もし旗が立った直後に売れていたら、仕入れ元のない商品を売ってしまうところでした。
掘ってみたら、原因が4つ、一列に並んでいた
『なぜ取り下げに失敗したのか』を追うと、1つの不具合ではなく、4つの問題が直列でつながっていることが分かりました。
1つ目は、仕入れ元のページが本当に終わったのかを、慎重になりすぎて断定できずにいたこと。2つ目は、別のサイトの一時的な不調に巻き込まれて、安全のために動きを止める仕掛けが誤作動していたこと。3つ目は、取り下げの命令を送る形式そのものが壊れていたこと(これは記録に残っていたエラーの文面から特定できました)。そして4つ目——ここがいちばん根が深いのですが——失敗したことを人間に知らせる仕組みが、そもそも存在していませんでした。
1つずつなら怖くない不具合でも、4つ並ぶと『検知はする。でも直らないし、誰にも伝わらない』という一番まずい形になっていました。
直して終わりにせず、壊してみて確かめた
4つとも直したあと、『本当に直ったか』を確かめるために、仕入れ元が消えた状況をわざと作り、最初から最後まで通しでテストしました。検知する、取り下げを試みる、そして失敗したら人間に知らせる——この一連が、実際にスマートフォンの通知が鳴るところまで、全部つながっているのを確認できました。
『直したつもり』と『直っている』の間には、いつも距離があります。それを埋めるのは、コードを読み返すことではなく、実際に壊れる状況を自分で作ってみることでした。
今日から使える形にすると
整理するとこうです。ひとつ、自動化の安全装置は『作った』で半分。障害が起きたことを人間に知らせる線が無ければ、壊れたまま静かに動き続けます。目指すのは『絶対に壊れない』ではなく『壊れたら必ず気づける』こと。ふたつ、エラーの文面はやわらげずにそのまま記録に残しておく。今日は、記録に残っていた1行が原因特定の決め手になりました。みっつ、『試してみたい』という素朴な一言が、本番で事故が起きる前に穴を見つけてくれます。怖いところこそ、自分から発火させて確かめる価値があります。
明日やること
- 同じ『検知はするが知らせない』構造が、他の自動処理にも残っていないか順番に点検する
- 取り下げ失敗の通知が実際に届くか、しばらく本番でも見張っておく
- 梱包・発送のペースを崩さず、仕入れと出品の本業に戻る
この連載は、ゼロから会社を立ち上げ、大きくしていく過程をそのまま書き残す記録です。 きれいごとだけでなく、迷いや反省も出していきます。上の「現在地」の数字が号を追うごとにどう変わっていくか、一緒に見届けてもらえたら嬉しいです。 国内フリマ仕入れ×eBay輸出の実録はブログ一覧から読めます。



