売る前の総点検——「動いているように見える」と「正しく動いている」は別物だった【創業日記 #45】

現在地です——出品17件、売上7,437円、評価9、販路2つ、ブログの新規訪問185人(2026-08-19時点)。今日は、本格的に売り始める前にシステム全体を洗い出して点検した日の話です。
きっかけは「エラーとかバグ、一回また見てくれる?」という一言でした。画面はふだん通り動いていて、誰も困っているようには見えなかった。でも一つずつ疑って調べていくと、見た目の裏側で数字が静かにズレている箇所が次々出てきました。
| 今日の主眼 | 本格的に売り始める前に、システム全体を疑って点検し、見つかった不具合を全部直しきる |
|---|---|
| 今日の一言 | 「動いている」と「合っている」は別物だと思い知らされた一日 |
見つかったのは61件——「約50件」ではなかった
点検は1日のうちに何回かに分けてやりました。致命的なもの8件、その日入れたばかりの新機能の粗5件、重要7件、重要・中の残り23件、中優先の残り6件、保留の残り6件、そして反証検証(一度直したものをもう一度疑い直す作業)で見つかった実バグ6件。足すと61件でした。
自分の感覚では「50件くらいだったはず」と覚えていましたが、あとで記録を数え直すと61件。記憶はいつも実際より少なく丸まる、ということをこの記事を書きながら思い知りました。
手数料が、違う店の値で計算されていた
一番深刻だったのは利益計算でした。'eBay'という表記が手数料の対応表に登録されておらず、フリマアプリ向けの手数料(10%)で計算される作りになっていました。eBayの実際の手数料は17.9%、そこに米国関税12.5%も乗ります。この2つが丸ごと計算から抜けていました。売値1万円の品で、約2,700円ぶん利益を多く見せていたことになります。
利益計算は、この事業の一番の土台です。ここが狂ったまま売り始めていたら、儲かっていると思って仕入れを増やし、後から数字が合わないと気づく——一番怖い順番でした。
同じ数字を2回数えていた/日をまたぐ売上が前の月に紛れ込んでいた
ダッシュボードの集計は、複数の記録をつなぎ合わせて合計を出す作りでした。つなぎ方によっては同じ投資が複数回数えられ、実際より多い投資額が表示されていました。
もう一つは時刻の基準です。eBayの売上を月ごとに集計する処理が世界標準時のまま動いていて、日本時間の午前0時〜9時に売れたぶんが、実際とは前の月の売上として数えられていました。日本で暮らしている自分たちには、9時間のズレは体感できません。数字だけが静かにずれていました。
今日から使える形にすると
ひとつ。ツールでも帳簿でも、お金に関わる仕組みは「売る前」に一度全部を疑って点検してください。売り始めてから発覚すると、どの数字が正しかったのか遡れなくなります。過去の売上をあとから訂正するのは、そもそもの計算を直すより何倍も大変です。
ふたつ。点検は「重要そうな所だけ」で止めないでください。今回も、致命8件を直して安心しかけたところに、まだ重要23件・中6件・保留6件が残っていました。区切りをつけるなら「全部見終わった」を区切りにする。件数が思ったより多く出るのは、点検が甘かったからではなく、点検がきちんと働いている証拠です。
みっつ。直した内容は記録に残してください。今回、記憶では「約50件」だったのに、記録を数え直すと61件でした。同じ症状がまた出たとき、あるいは似た数字のズレに気づいたとき、この記録が最初に開く一次資料になります。
明日やること
- 点検で直しきれなかった項目が無いか、記録を見返して確認する
- 手数料表のように「登録漏れがあると静かに間違える」作りが他に無いか洗い出す
- 時刻の基準(世界標準時/日本時間)を使っている集計処理を全部リストアップし、統一されているか確認する
この連載は、ゼロから会社を立ち上げ、大きくしていく過程をそのまま書き残す記録です。 きれいごとだけでなく、迷いや反省も出していきます。上の「現在地」の数字が号を追うごとにどう変わっていくか、一緒に見届けてもらえたら嬉しいです。 国内フリマ仕入れ×eBay輸出の実録はブログ一覧から読めます。



