安い値段を、機械が黙って断っていました——交渉の入口を、自分で閉じていた話【創業日記 #40】

現在地です——出品155件、売上15,399円、評価9、販路2つ、累計のブログ訪問213人・出品の表示39,086回(すべて2026-08-27時点)。今日は、値段の交渉について、自分の作りを根本から直した話です。
eBayには、買い手が「この値段でどうですか」と申し出られる仕組みがあります。私の出品には、その申し出のうち一定より安いものを自動で断る設定が入っていました。20品を調べたら6品に入っていて、さらに11品はそもそも申し出を受け付けない設定でした。
| 今日の主眼 | 自動で断る設定を全部外し、安い申し出にも値を返してメッセージを添える形にする |
|---|---|
| 今日の一言 | 「殿様商売をしていた」と気づいたときの居心地の悪さ |
「黙って断る」が何を捨てていたか
この自動で断る設定のこわいところは、断り方です。値を返すわけでも、メッセージが出るわけでもありません。買い手には「断られました」とだけ表示され、こちらには何も届きません。申し出が来たことすら分からない。
申し出をくれる人は、その商品にいちばん興味を持ってくれている人です。ページを開いて、値段を見て、それでも欲しくて、わざわざ金額を入力してくれた。その人を、機械が黙って追い返していました。しかも、こちらはそれを知らないまま「今日も反応が無いな」と思っている。
断らずに、値を返す
考え方を変えました。どんなに安い申し出でも、必ず値を返して会話を続けます。機械が勝手に成立させてよいのは、こちらの下限を割らない金額まで。それより安いものは、断るのではなく、返し値を出す。受けるかどうかは人が決めます。
文面も決めました。「この金額では無理です」ではなく「ここまでなら出せます」と書く。相手の提示額を責めない。こちらの上限を示すだけにする。実際に使っている型はこうです——申し出のお礼と、興味を持ってくれたことへの感謝。その額には行けないけれど、いくらなら出せるかという具体的な数字。日本から追跡番号付きで送ること。それでよければ喜んでお送りします、という結び。
書かないことも決めました。到着までの日数と、関税の扱いです。実測していないことをお客様に約束しない。この線は、他の文面と同じにしてあります。
元を止めないと、また入る
いま出ている品から設定を外すだけでは足りません。新しく出す品や、値段を直した品に、また同じ設定が入ってしまいます。値段を決める処理の中に、断る線を書き込む場所が残っていたからです。
そこも消しました。掃除だけして蛇口を止めないと、同じ作業を毎週やることになります。今日いちばん時間をかけたのは、実はここでした。
今日から使える形にすると
ひとつ。自分の出品に「自動で断る」設定が入っていないか、いますぐ確かめてください。多くの場合、値段を設定した誰か(過去の自分か、使っている道具)が良かれと思って入れています。入っていたら、それは静かに客を追い返している設定です。
ふたつ。安い申し出に「断る」で終わらせないでください。値を返せば会話が続きます。続けば、こちらの事情も伝わります。断ってしまえば、そこで終わりです。返し値を出す手間は数十秒で、失っているのは一番熱い見込み客です。
みっつ。文面は「あなたの額は安すぎる」ではなく「私はここまで出せます」の形にしてください。同じ内容でも、相手を責める文と、自分の上限を示す文では、返事の来かたが変わります。断り文句を書きたくなったら、その金額を数字で書き直せないか考えてみてください。
明日やること
- 申し出が来たときに、利益と返し値の案が一緒に届くようにする(期限が短いので気づくのが勝負)
- 返し値が期限切れになった相手を記録し、後日あらためて声をかける
- 実際に申し出が来たときの動きを、本番で一度確かめる
この連載は、ゼロから会社を立ち上げ、大きくしていく過程をそのまま書き残す記録です。 きれいごとだけでなく、迷いや反省も出していきます。上の「現在地」の数字が号を追うごとにどう変わっていくか、一緒に見届けてもらえたら嬉しいです。 国内フリマ仕入れ×eBay輸出の実録はブログ一覧から読めます。



