AIで背景を消したら、猿の脚が2本になっていた話【実録・eBay輸出日記 #9】
9品目は、実家の蔵から出てきた干支の申(猿)の木彫り置物。背板には墨の署名と朱印が入り、赤いフェルトの飾り台に乗っていて、背中の棒には小さな鈴がついています。彫りも彩色もしっかり残った、状態のいい一品でした。
この日は撮影で少しつまずきました。背景が雑然としていたので、いつも使っているAI画像編集ツールで背景だけ白く抜こうとしたところ、猿そのものの姿が変わってしまっていたのです。
| 今回の商品 | 木彫りの猿の縁起物(銘入り・飾り台と背板つき) |
|---|---|
| 出品価格 | $34.99(約5,700円) + 値下げ交渉(Best Offer)受付 |
| 送料設定 | 米国向け $15 / その他 $20(小形包装物+書留) |
| 重さ | 本体110g・梱包後 約350g |
| 出品ページ | eBayで実物を見る → |

背景を消したら、猿が二本足で立っていた
加工後の写真をざっと見たときは気づきませんでした。おかしいと感じたのは、出品前にもう一度見比べたときです。元の写真では四つ足で座っていた猿が、加工後は二本足で立つポーズに変わっていました。背景だけ抜くはずのツールが、被写体の輪郭まで「描き直して」いたのです。
生成AIの画像編集は、背景と被写体の境界があいまいな部分(毛並み・木目・影)を、それらしく「補完」する性質があります。単純な背景除去のつもりでも、内部では画像全体を再構成していることがある——これを知らずに使うと、実物と違う写真を出品してしまう事故になります。
拡大したら、署名の字まで違っていた
念のため背板の署名部分も拡大して見比べました。案の定、元の墨文字と加工後の文字は形が違っていました。AIが「それらしい書き文字」を新しく生成していたのです。骨董・民芸品の署名や刻印は真贋判断の材料になる部分なので、ここが実物と違う写真を出していたら、バイヤーの信頼を裏切ることになっていました。
気づけたのは加工前後を並べて拡大比較したからです。ぱっと見の印象だけで判断していたら、そのまま出品していたと思います。
「証拠」になる写真はAIに触らせない
結局この回はAI加工版を破棄し、白いラシャ紙の上に置き直して実物をそのまま撮り直しました。背景が多少雑でも、写真は商品の「証拠」です。証拠を生成AIに描き直させてはいけない、というのが今回の結論です。
以後のルールとして、背景整理は物理的な白背景紙で撮る/どうしてもAI加工を使うときは加工前後を必ず拡大で並べて比較する、の2つを決めました。時短のためのツールで信頼を失っては本末転倒です。
この連載は、物販チェッカーの開発者が「実家の眠り品×eBay輸出」を仕入れ資金0円から実践する記録です。 あなたの実家にも、海外のコレクターが探している品が眠っているかもしれません。 相場がいくらか知りたい物があれば、買取査定モードで 写真1枚から仕入れ上限価格を確認できます。