eBay輸出の関税は誰が払う? — DDU/DDPの違いと、関税トラブルを防ぐ出品文の書き方

公開時のこの記事は「DDUで出品している限り、関税は利益計算に関係ない」と書いていました。 その2週間後、私たち自身が初めての米国宛て発送で、この前提が崩れていることを郵便局の窓口で知りました。
- 米国は2025年8月29日に少額免税(デミニミス)を廃止しました。少額でも関税がかかります
- 日本郵便で米国宛てに販売品を送る場合、関税は売り手が発送前に前払い(DDP)する方式だけになっています。「バイヤー負担」は選べません
- つまり米国宛ての利益計算には、関税を必ず入れる必要があります。目安は商品代金の15%+その1割の手数料+固定手数料$3.99(2026-08-26に公式の税率告示と照合して更新。私たちの1件目〔2026-08-10〕は当時12.5%の請求で、商品3,950円に対して約1,100円でした)
当時の本文は、間違いが分かる形でそのまま残し、各所に訂正を入れています。 間違えた記録ごと残すのは、同じ場所でつまずく人を減らすためです。
結論から言うと、eBay輸出の関税は「どの国へ送るか」で扱いが変わります。米国宛ては売り手が発送前に前払い(DDP)、それ以外の多くの国は従来どおり 「関税・輸入税は届いた国の法律に従ってバイヤーが負担する」条件(DDU)が基本です。 この記事では、DDUとDDPの違いと、関税トラブルを防ぐための出品文の書き方を解説します。
そもそもDDU・DDPって何?平易に言うと
DDUとDDPは、国際貿易で使われる「関税・輸入税を誰が払うか」を表す条件(インコタームズ)の略称です。 難しく聞こえますが、考え方はシンプルです。
| 条件 | 意味 | 関税を払うのは |
|---|---|---|
| DDU(Delivered Duty Unpaid) | 関税・輸入消費税を含まない価格で発送。通関時に別途請求される | バイヤー(着払いのイメージ) |
| DDP(Delivered Duty Paid) | 関税・輸入消費税をあらかじめ価格や送料に織り込んで発送 | セラー(元払いのイメージ) |
国内の宅配便にたとえるなら、DDUは「着払い」、DDPは「元払い」に近いイメージです。日本のeBayセラーの標準はDDUで、eBayの出品設定や物販チェッカーのインボイス作成機能もDDUを前提にしています。
なぜ日本のセラーはDDUが標準なのか
- 関税率は輸入国・品目ごとにバラバラ — 同じ商品でもアメリカ・イギリス・オーストラリアで税率も課税ラインも異なり、セラー側で正確に事前計算するのは現実的ではありません
- DDPには通関上の手続きが必要になる場合がある — セラーが相手国の輸入税を代理で納めるには、輸入者登録や税番号の取得など、個人セラーには負担が大きい手続きが絡むことがあります
- 国ごとの免税ライン(デミニミス)以下なら関税が発生しないことも多い — 少額の商品であれば、そもそもバイヤー側に関税が発生しないケースも多く、DDUで大きな問題にならない取引が大半です。【訂正】ただし米国はこの免税ラインを2025年8月29日に廃止しました。少額でも課税されます
こうした事情から、米国宛て以外では、DDU(バイヤー負担)が引き続き事実上の標準です。【訂正】米国宛てだけは例外で、日本郵便では売り手が関税を前払いするDDPのみになっています。 「どの発送方法にするか」を決める前に、宛先の国の最新ルールを必ず確認してください—— 私たちはこれを調べずに郵便局へ行き、丸一日を失いました。
【訂正】米国宛ては、関税を利益計算に入れる
公開時のこの節は「DDUなら関税は利益計算に足す必要がない」と書いていました。米国宛てについては、これは誤りです。日本郵便で米国へ販売品を送る場合、 関税は売り手が発送前に前払いします。つまり手数料や送料と同じ、セラーの手元から出ていくコストです。
目安の式はこうです(2026年8月時点・日本からの一般的な品):
| 米国宛ての関税(目安・2026-08-26更新) | 商品代金 × 15% + その10% + 固定手数料 $3.99(約600円) |
| 実例(私たちの1件目・2026-08-10) | 商品3,950円 → 関税・手数料 約1,100円(当時の請求は税率12.5%)。利益の3割近くがここで消えました |
米国宛て以外の国では、通関時にバイヤーへ請求される関税・輸入消費税はセラーの売上とは 切り離された金額のままで、利益計算に足す必要はありません。計算すべきコストが 手数料・送料・梱包費・保険料に限られるのは、米国宛て以外の話です。
本当に注意すべきは「関税トラブル」— 出品文の書き方
米国以外の国では利益に影響しないとはいえ、油断は禁物です。DDUの落とし穴は、バイヤーが関税の存在を知らずに購入し、通関時に想定外の請求を受けて驚くことです。 高額品ほどこの関税は大きくなりやすく、「聞いていない」という不満から、 受取拒否・返品・低評価(ネガティブフィードバック)につながることがあります。 セラー側の落ち度ではなくても、トラブルとして扱われてしまうのは避けたいところです。
防ぎ方はシンプルで、出品ページに関税がバイヤー負担であることを明記することです。 たとえば商品説明欄に次のような一文を添えておくと、購入前にバイヤーが認識できます。
| 英文例 | Import duties, taxes, and customs fees are not included in the item price or shipping cost. These charges are the buyer's responsibility. |
あわせて、eBayの出品フォームにある「International shipping」設定でも 関税負担がバイヤー側になっていることを確認しておくと二重の備えになります。 高額品を出品するときほど、この一文の有無がトラブルの起きやすさを左右します。
まとめ(2026-08-10 訂正版)
- 米国宛て — 関税は売り手の前払い。利益計算に「商品代金×15%+その10%+固定手数料$3.99」を必ず足す。値付けの時点で織り込む
- 米国以外 — 従来どおりDDU(バイヤー負担)が基本。利益計算には入れない。ただし出品文に関税バイヤー負担の一文を明記して、通関時の「聞いていない」を防ぐ
- 今日から使えるポイント — 発送方法を決める前に「その国宛てで、関税を誰が・いつ払うか」を必ず調べる。制度はこの1年で実際に変わりました。私たちはこれを調べずに郵便局へ行き、丸一日を失っています
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